Coast FIRE とは?
Coast FIRE とは、すでに投資したお金がひとりでに増えて、老後に必要な資産すべてに届く地点のことです。仕事は続け、生活費も払いますが、老後のためにお金を取り分ける必要はもうありません。あとは投資が惰性で進んでくれます。英語ではこれを coast(惰性で進む)と言います。
FIRE は英語の Financial Independence, Retire Early の略で、「経済的自立と早期リタイア」という意味です。完全な FIRE は、仕事を完全にやめられるだけの資産を貯めることです。Coast FIRE はそれよりゆるやかな目標です。働いて収入は得続けますが、その地点から先に稼いだお金は、貯蓄ではなく今の生活に使えます。
あなたの Coast FIRE 額とは、これを実現するために今日投資しておくべき金額です。次の4つで決まります。
- 老後に毎年いくら使うか
- そのうち年金でどれだけまかなえるか
- インフレを差し引いて、投資がどのくらいの速さで増えるか
- 退職まであと何年あるか
たとえば、65歳で年間 60,000ドル使い、年金で年間 20,000ドル受け取る 30歳の夫婦は、投資から年間 40,000ドルを得る必要があります。取り崩し率 4% なら、必要な資産は 1,000,000ドル です。成長率 7%、インフレ率 3% の場合、今日投資した 263,555ドル は、1ドルも追加しなくても 65歳でこの 1,000,000ドル に届きます。この 263,555ドル が、この夫婦の Coast FIRE 額です。
この計算ツールの使い方
- 国を選びます。 通貨、数字の書き方、インフレ率の初期値、公的年金の名称が決まります。税金はまだどの国でも計算していません。
- 「自分だけ」か「夫婦・カップル」を選びます。 夫婦の場合は、世帯の合計で金額を入力します。プランはあなたの年齢で計算します。
- これまでの投資額と、毎月の投資額を入力します。 iDeCo や NISA、インデックスファンドなどの長期投資を含めます。自宅や生活防衛資金は含めません。
- 退職したい年齢と、毎年の支出を入力します。 現在の価値で入力してください。インフレは計算ツールが考慮します。
- 年金の年間受取額を入力します。 わからなければ 0 を入れてください。それが慎重な選び方です。
入力するたびに答えが更新されます。濃紺のカードに、あなたの Coast FIRE 額、達成率、積立をやめられる年齢、そして正直な次の一歩が表示されます。
続いて、プランでスライダーを使って変化を試し、記録で月に1回チェックし、共有で節目の画像を作れます。数字はお使いのブラウザにだけ残ります。こちらには何も送信されません。
前提を変えたいときは、「成長率 · インフレ率 · 取り崩し率」の横の変更を押してください。計算のすべての手順が、あなた自身の数字で「計算のしかた」に表示されます。
夫婦・カップルの Coast FIRE
多くの Coast FIRE 計算ツールは、1人の場合しか考えていません。実際の世帯には、収入が2つ、老後資金の口座が2組、ときには年金も2つあります。
このツールは、夫婦を1つの世帯として扱います。2人の投資額、毎月の積立額、年金をそれぞれ合計してください。老後に2人で使う予定の支出を入力します。たいていは1人分の2倍より少なくなります。
使う年齢はあなたの年齢です。パートナーと何歳か離れている場合は、それぞれの年齢で計算してみてください。その差から、時間がどれほど大切かがわかります。Coast FIRE に届いた夫婦には、単身の人にはない選択肢があることが多いものです。1人が働き方を減らしたり、パートタイムに切り替えたり、休みを取ったりしながら、もう1人が働き続けることができます。
年金がある場合の Coast FIRE
年金があると、Coast FIRE 額は大きく下がります。投資でまかなう必要があるのは、支出と年金の差だけだからです。
上の例では、夫婦は年間 60,000ドル 使います。年金がなければ、65歳で 1,500,000ドル、今日の投資額で 395,332ドル が必要でした。年間 20,000ドル の年金があれば、65歳で 1,000,000ドル、今日はわずか 263,555ドル で済みます。年金によって Coast FIRE 額は3分の1減ります。
年金は現在の価値で、確実に受け取れる分だけを入力してください。日本ならねんきん定期便の見込額(国民年金・厚生年金)が目安になります。アメリカならソーシャルセキュリティ、イギリスなら国家年金です。一定額を受け取れる企業年金も加えてください。
年金の受け取り開始が、働くのをやめたい年齢より後になる場合、その間の年数はまだこのツールでは計算できません。安全のため、年金額を少なめに入力してください。
アメリカ以外での使い方
このツールは13の地域に対応しています。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、インド、ユーロ圏、アラブ首長国連邦、日本、サウジアラビア、台湾、香港、シンガポール、マレーシアです。国を選ぶと、通貨、大きな数字の書き方、インフレ率の初期値、公的年金の名称が決まります。
計算方法はどこでも同じです。違うのは、予想するインフレ率と想定する成長率です。お住まいの国のインフレ率がふだん高めなら、実質成長率は下がり、Coast FIRE 額は上がります。成長率、インフレ率、取り崩し率は、変更ボタンでいつでも変えられます。
注意点が2つあります。どの国でも税金は含まれていないので、結果は税引き前の見積もりと考えてください。また、取り崩し率 4% はアメリカの研究に基づくものです。アメリカ以外では、より安全に 3% や 3.5% を選ぶ人もいます。